EDIUNET.COMベータ版の公開

※以前別の場所で書いた文章を備忘的に書き記しておきます。

【投稿年月日】2009-02-12 【ジャンル】EDIUNET

EDIUNET及びEDIUNET.COMの開発状況。

◆ EDIUNET.COMベータ版の公開

 EDIUNETの発展形として、アメリカと日本の会社を簡単に比較できるEDIUNET.COMを公開(例:ヤフーとYahoo! Inc、Google Incの比較)。現時点で、アメリカ市場5,006社+日本市場3,839社を収録。
 ドル・円・ユーロの通貨切替機能により、決算時点における為替レートに換算して表示。また、財務データ分析のURLの短縮化をはかる。
EDIUNET.COM
 

◆ 業種に「銀行業」を追加

 今まで除外していた銀行業を財務データベースに追加。

◆ 証券コードの外部リンク先の変更

 Yahoo!ファイナンスからMSNマネーに変更。

◆ ユーザビリティの改善

 より使いやすいインターフェイスに変更。



 「財務ランク(AAA~C)の追加 (EDIUNET)」で言及した通り、EDIUNETの次期バージョンとしてEDIUNET.COMを公開しました。当面の間、EDIUNETとEDIUNET.COMは併存させますが、将来的にはEDIUNET.COMに統一させる可能性があります。

 EDIUNET.COMの目玉は、何と言っても日米企業の決算書を簡単に比較できることです。
 例えば、医薬品業界の武田薬品とファイザーを見てみます。

他社比較: 武田薬品工業・Pfizer Inc
ediunet.com/company/4502+pfe/

武田薬品工業・Pfizer Inc

 Uチャートの大きさ(=企業体力)の違いが一目瞭然です。
 ファイザーは2007年12月にキャッシュを3兆円前後保有しています。他方、武田薬品の時価総額も3兆円前後で、しかも買収価値が1.5兆円!(これはキャッシュが1.6兆円前後と潤沢なのが主な理由だと思われます)

武田薬品工業・Pfizer Inc

財務診断レポート:武田薬品
ediunet.com/company/4502/

武田薬品工業・Pfizer Inc

 すなわち、(あまり現実的ではありませんが)ファイザーは武田薬品を丸ごと買ってお釣りがくるだけのキャッシュを持っているのです。ファイザーの無形固定資産が5兆円前後と大きいのですが、これは企業買収時ののれん代だと思われるので、買収意欲満々の企業だと推測できます。武田薬品を買収する可能性はゼロではないということです。

 このように、EDIUNET.COMを利用すれば、言語や通貨の壁を軽々と乗り越えて、世界的な視野で企業活動をつかむことが可能になります。
 もちろん、本格的に財務分析をするには、決算書や年次報告書を読みこなす必要がありますが、一般的に求められるのは、企業活動の概略を把握することです。EDIUNET.COMは、そのような用途にピッタリのツールですし、また、本格的に財務分析をする前段階のツールとしても有効だと考えます。


 以下、備忘的にEDIUNET.COMの作業進捗状況について残しておきます。
[2008/12/17] EDIUNET.COMの検討開始
詳しくは「財務ランク(AAA~C)の追加 (EDIUNET)」を参照。
[2008/12/20] データベース関係
SQL文をシンプルにした。
[2008/12/26] ファイル構成
Class化したりファイルを整理するなど、メンテナンスしやすい形にした。
[2008/12/26] データベース関係
データベースからの出力にあたり、無駄な記述を削り、高速化をはかった。
[2009/01/07] セキュリティの強化
XSS及びSQLインジェクションを中心に、エスケープ処理を行なった。
[2009/01/15] 会社コードの形式変更
データベースにおいて会社コードの型を「int」から「varchar」に変更。SQLの記述等を全面的に見直す。
[2009/01/15] データベース関係
アメリカ市場の決算データをデータベースに格納。
[2009/01/21] 通貨変換
決算月末日の為替レートに連動させて、ドル・円・ユーロに通貨変換できるようにした。
[2009/01/22] Javascriptの変更
スクリーニング検索を除いて全面的に書き換え。
[2009/01/22] データベース関係
日本市場の決算データをデータベースに格納。日米の会社の比較機能の実装が完了。
[2009-01-27] URLの短縮
.htaccessなどで、URLの短縮をはかった。
[2009-01-28] 業種に銀行業を含める
勘定科目が一般企業と異なる銀行業について、工夫した上でデータベースへの取り込みをはかった。
[2009/02/09] 検索オプションの追加
米国市場や日本市場で絞り込めるようにした。
[2009/02/09] Javascriptの変更
スクリーニング検索について調整した。

 何点か補足しておきます。

 最も悩んだのが、[2009/01/15]の会社コードの形式変更です。データの型が「int」(数値)から「varchar」(文字列)に変える必要があるのですが、そうするとSQLのパフォーマンスが落ちてしまうのです。
 新たにテーブルを作成したり、SQL文をいじったりと、いろいろと試した結果、SQLを1回ではなく、2回に分けて発行する方法に落ち着きました。この一連の作業が今回のサイト構築の山だったような気がします。

 逆に作業していて楽しかったのが、[2009/01/21]の通貨変換機能です。日米市場の全決算データを、決算月末日の米ドルに換算し、データベースに格納した上で、アウトプット時にドル・円・ユーロに切替える仕様にしました。この通貨変換機能がヒントになり急遽サイト構築されたのが、「World Private Trading」です。
 なお、為替レートについてはFRBからデータを取得しています。

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